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日本共産党前橋市議会議員 長谷川薫  【年齢 70歳】 現在・6期・携帯・090-1534-5061・自宅~前橋市南橘町15-5・お困りごとや行政への要望などありましたら、お気軽にご連絡下さい。


by hasegawakaoru

市議会最終日、マイナンバー事業・夜間競輪などに反対討論

12月16日の12月定例市議会の最終日。本会議で討論をしました。それに先立って、鎌倉中学校の吹奏楽部の議場コンサートがありました。中学生の素晴らしい演奏に感動しました。
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マイナンバー制度による事業促進・ミッドナイト競輪事業・営利企業による公的施設の指定管理・市総合運動公園の過大な拡張事業に反対!

 私が行った、討論は以下の通りです。反対理由をぜひお読みください。


 私は、日本共産党前橋市議団を代表して、議案129号、第130号、第154号、第155号、第156号、第157号、および第165号について、反対の討論を行います。

 最初に、議案第129号平成26年度前橋一般会計補正予算についてです。

 総務費の情報システム運用事業費として計上されている、5327万5千円の追加補正は認められません。この事業は、赤ちゃんからお年寄りまでのすべての日本国民と中長期滞在の外国人を含めた日本居住者一人ひとりに識別番号(マイナンバー)をつける仕組みです。これまで年金、医療、介護など制度ごとに違う番号で管理・運営されていた国民のさまざまな情報がマイナンバーを通じて一つに結びつけられます。対象となる情報は、社会保障、税金、雇用、奨学金貸与の状況まで広範囲にわたります。国や地方自治体が、住民の多様な納付・給付状況を把握することを可能にします。税と社会保障の一体改革の関連法でもあるマイナンバー法は、給付の「適正化」と運営の「効率化」による社会保障費削減・抑制を最大の導入目的としていることも問題です。しかも、マイナンバー制度は、「一体改革」を要求する経団連が社会保障支出の「徹底的な合理化・効率化」のために導入を強く求めてきたことからも、社会保障給付抑制の道具に使う狙いは明らかです。
 内閣府の世論調査でも7割以上の人が「個人情報の漏洩(ろうえい)によるプライバシー侵害」「個人情報の不正利用による被害」に不安を感じています。ベネッセコーポレーションで明らかになった個人情報の大量漏洩事件は、最大約2070万件もの情報が漏洩した可能性があると同社が説明していますが、いまだにその原因も明らかになっていません。このような情報漏えい防止対策もきわめて不十分です。番号制度が必要という立場の研究者からも、多くの情報を一つに集中させるのは「プライバシー保護の観点から見て『絶対にやってはいけないこと』」と危ぐする声が強くあがっています。しかも、制度導入に6100億円もの経費がかかると試算された内容も、詳細は不透明です。歯止めのない税金投入になる恐れも強く、まさに国民にとって「有害無益」の事業であり、国言いなりの事業費支出はやめるべきです。

 次に、議案130号、競輪特別会計補正予算についてです。

 競輪特別会計の競輪開催事業費として追加補正しようとしている1億5127万7千円は認められません。
今、日本の成人の男性8.8%、女性1.8%、推計536万人がギャンブル依存症であり、世界でも最悪のギャンブル依存の広がりが実証されたという厚生労働省研究班の調査発表が衝撃を広げています。
 ギャンブル依存症は、ギャンブルへの衝動が抑制できず、経済的、社会的、精神的な問題が生じているにもかかわらず、やめることができない病気です。世界保健機関(WHO)は精神疾患と定義しており、世界的にその対策と治療・回復のための社会基盤づくりが課題になっています。ところが政府は、現在は刑法犯罪である賭博場・「カジノ」の合法化を目指すとともに、競馬や競輪など公営ギャンブルを所掌している農水省、経産省などは、ギャンブル依存症の対策は何もしていません。
 依存症は個人の人柄や性格によるものではありません。ギャンブル施設の存在がそれを引き起こすのです。多くの家族は、適切な救済を受けられず、経済破たんを引き起こし、家庭崩壊を招いて苦しんでいる方も少なくありません。 
このような状況の下で、本市はガーデン前橋への場外車券場の開設に続いて、試行的な実施といえどもミッドナイト競輪を開催し、今後の本格実施を目指すことは、市民社会の健全性を損ない依存症を拡大する恐れがあり、認めることはできません。また、市民の所得を吸い上げて確保するギャンブル収入に、市財政を依存することにも賛成できません。今日の社会の矛盾の中で、ギャンブルにささやかな楽しみを求めている市民も少なくありませんが、オリンピック競技でもある競輪を健全なスポーツに発展させる政策を強めて、これらの人々がギャンブルをしなくてもすむような社会をめざすべきだと思います。

 次に、議案154号から157号までの公の施設の指定管理者の指定についてです。

今回の指定について以下の理由から反対するものです。
 わが党は、公の施設の指定管理者制度について、営利目的の民間企業にゆだねれば行政の責任があいまいになり、住民と議会によるチェックができにくくなるとともに、サービスの低下や住民負担の増加、個人情報の漏えいの危険、コスト削減を名目にした従業員の低賃金・非正規化などを伴うものだと繰り返し指摘し、とりわけ市民生活に関わる公共施設の管理運営は直営に戻すことを基本に抜本的に見直すよう要求してきました。しかしながら、市長は中央児童遊園、粕川元気ランド、富士見温泉見晴らしの湯ふれあい館、おおさる山の家の指定管理者に民間企業を再び参入させることを提案しました。
 しかも、指定管理者の指定にあたって、市は、評価点数の高い事業者を選定したと説明していますが、施設運営の理念やサービスの質の確保など重要な評価項目の配点に、選定委員からは5割程度の評価点しか得ていない結果もあります。低い配点となった項目についてはどこに問題があるかの、またそれにもかかわらず選定したのはなぜか等選定の最終的な判断材料が一切示されておらず、選定委員の個人的な評価にもとづく選定となっています。
 また、粕川元気ランドや富士見温泉は一事業者のみの応募であり、比較評価する他の事業者もありません。市は「1事業者の応募であっても、公正かつ厳正な審査をした」と説明していますが、事実上、特定の民間企業の参入を認めることになり問題です。
 しかも議会には、判定の基準となった審査項目に基づく各法人が提出した事業計画内容等は一切示されないために、その施設の運営管理を行う事業者として、本当に一番ふさわしい団体なのか、議会では的確な是非の判断ができません。 
もともと指定管理者制度は、財界の要求を受けて「官から民へ」のかけ声のもと、国、地方自治体の業務、施設を民間に開放してビジネスチャンスをふやすという戦略にもとづいて導入されたものです。したがって、わが党は、市の外郭団体である文化スポーツ振興財団を選定した総合運動公園と社会福祉協議会を選定したしきしま老人センターを除いて、公共施設の管理運営に民間営利企業を参入させる議案4件に反対致します。

最後に、議案165号、前橋市総合運動公園拡張用地の土地の買い入れについてです。

 現在の面積25.8㌶の前橋総合運動公園を、さらに東側の農地をつぶして14.6㌶も拡張し、全国大会クラスのスポーツ大会を誘致するための4面の野球場を整備するグラウンドと、700台の駐車場、さらに多目的広場も含めた公園施設増設する事業計画であります。事業費は土地の買収費用も含めて36億円になります。国の補助金を受けても20億円前後の市財政の投入を余儀なくさされます。
 これまでにわが党は、現在でも総合運動公園の管理費は年間1億8千6百万円にもなっており、当然、拡張すれば管理費がさらに増えると指摘し、県有施設を含め既存の本市のスポーツ施設を活用すれば不足はなく大規模な大会も実施できるとの立場から、「必要最低限のグラウンドと駐車場の整備だけに拡張計画を縮小すべき」と主張してきました。さらに、「老朽化し、市民の使い勝手の悪い総合運動公園の各施設のリニューアル事業を優先すべきであり、駐車場不足対策については、下増田町の清掃工場建設用地を活用してパークアンドライド方式でピストン輸送などおこない利活用すれば十分可能。オリンピックのキャンプ地誘致やスポーツメッカづくりについても、本市より交通も宿泊施設もはるかに利便性が高く、施設整備も進んでいる、さいたま市や千葉市、横浜市など首都圏自治体と競争することには無理がある。身の丈に合った取り組みをすべきで、大規模なスポーツ施設整備など過大な財政投資は将来に禍根を残す可能性がある」と主張してきました。
 しかも、運動公園の拡張目的が、いつの間にか当初のサブグラウンドから野球場を中心にした整備計画に変化しましたが、議会には変更理由の十分な説明がありませんでした。すでにナイター設備があり13,000人の収容能力の市民球場があり、基幹運動公園や旧勢多郡町村の運動公園や利根川河川敷にも野球場が整備されています。大規模な大会であっても県施設なども活用すれば十分実施できるはずです。新たな野球場を4面も整備する緊急性があるのでしょうか。
本市の大規模公園は前橋公園、荻窪公園、大室公園、敷島公園などもあり、さらに地域の街区公園も289個所、近隣・地区公園など合わせると、391個所で、公園の面積は369㌶にもなります。一人当たりの公園面積が全国平均より高い10.95㎡〈H25年度〉です。これを総合計画では平成29年度に12.5㎡まで引き上げようとしています。少子高齢化が進む中での公園整備は、大規模公園整備を抑制し、歩いて行ける街中の公園整備を優先すべきです。
 市民生活は4月からの消費税増税の一方で社会保障の給付削減と負担増でいっそう苦しさを増しています。市は、すでに4.8㌶の下増田運動場を約20億円かけて整備しましたが、隣接する3.8㌶の元清掃工場建設予定地も7億円かけて北関東最大のサッカーグラウンドの拠点施設として整備する計画を明らかにしています。市民体育館の耐震補強や大規模改修の工事費だけでも約17億4千万円もの経費がかかります。
福祉予算や中小事業者支援予算など市民の暮らし応援に予算をシフトすべき時に、わが党の指摘や提案を十分検討することなく、これ以上の過剰なスポーツ施設整備に財政を投入することを賛成することはできません。
 以上申し述べまして7議案対する反対討論を終わります。
by hasegawakaoru | 2014-12-18 15:53 | 市議会活動報告