日本共産党前橋市議会議員 長谷川薫  【年齢 66歳】 現在・5期・携帯・090-1534-5061・自宅~前橋市南橘町15-5・お困りごとや行政への要望などありましたら、お気軽にご連絡下さい。


by hasegawakaoru

市民の命と暮らしを脅かす前橋市の違法・脱法的な強引な差押えは許さない!

市民の命と暮らしを脅かす前橋市の違法・脱法的な強引な差押えは許さない!

1、はじめに~高すぎる国保税が滞納の大元の原因

前橋市は、2013年4月から国民健康保険税を11%引き上げ、年間約12億円・1世帯平均2万2,000円の負担を加入者に押し付けました。市当局は引き上げ額を縮減するために、7億1,900万円を一般会計から国民健康保険特別会計に繰り入れましたが、最高限度額と均等割・平等割の引き上げを強行しました。党市議団は最高限度額の4万円引き上げ(後期高齢者支援金分と介護納付金分各2万円・計4万円)はやむを得ないという立場から賛成しましたが、無所得世帯が1万3,200円、7割軽減世帯が9,240円の負担増となるため、均等割の年6,000円引き上げ、平等割の年7,200円引き上げには強く反対しました。残念ながら、党市議団以外の会派の賛成で引き上げが決められました。

その結果、総収入360万円で所得192万円の3人家族(40歳代の夫婦・子ども一人)では約5万7千円の負担増で、年税額では34万円。所得に占める割合は約18%にもなりました。本市の国保加入者は、所得200万円以下の世帯が77%を占めるなど低所得者や高齢者が多く、派遣切りによる失業者も増えています。一人あたりの平均国保税額は18万5584円です。現年分の収納率は93%程度で推移していますが、加入5万3,625世帯(加入者9万3,486人)のうち国保税の1年以上滞納世帯が5447世帯で加入世帯の1割以上が滞納しています(2012年度)。

市町村の国保税の高騰を招いている最も大きな原因は、自民党・公明党政権が続けている国の国保予算の削減です。1984年には医療費の45%まであった市町村国保への国庫負担が、今や24.1%まで削減されています。このために全国の自治体で国保税の引き上げが繰り返され、この20年間に全国平均で1.6倍、一人あたり3万円も引き上げられました。
 さらに滞納者に対して全国の自治体が国に言われるままに制裁措置を講じており、本市も2014年11月25日現在で、国保資格証明書を879世帯1,109人、国保短期保険証を1605世帯、2644人に発行し、命と健康を脅かしています。
しかし、多くの市町村が、国保税の高騰を抑え、自治体独自の減免などを行うため、一般会計から国保会計に国の基準(法定額)以上の公費を繰り入れていますが、収納率は下がる一方です。あまりにも高すぎる国保税の引き下げを行わなければ収納率の向上にもつながりません。低所得者が多く加入し、保険税に事業主負担もない国保は、適切な国庫負担なしには成り立たないのです。

2、前橋市の過酷な滞納整理について

いま、本市においても、長引く景気悪化で市民のくらしがかつてなく深刻さを増しており、税金を払いたくても払えない市民が急増しています。サラ金などの高利の借金をして毎月の返済に追われている方も少なくありません。また、高齢化が進行するもとで、家族の病気や介護施設への入所で予想以上の費用の負担を強いられて生活に困窮している世帯も増えています。仕事が激減し、請負単価が引き下げられて、資金繰りに苦しんでいる零細業者も増えています。
 国税や県・市民税、国保税が納期までに納められなくなることは決して特別な世帯だけではなく、誰でも起こりうるのです。だからこそ税金を徴収する行政は、納税義務だけを強調するのではなく市民のくらしの実態をていねいに聞き取って、分割納入や徴収の猶予など暖かい対応が求められます。
 ところが、市税と合わせて国保税の徴収を所掌している前橋市財務部収納課は、「呼び出しても連絡がない」「分割納入の約束日に入金されなかった」「分納金額が少ない」などの事実だけで一方的に「悪質滞納者」と決め付けて突然、滞納世帯の預金通帳の残額を全額差押えたり、給与や自営業者の取引先業者の売掛金債権を差し押さえて収納するなど、生活実態を無視した異常ともいえる強権的な滞納処分を強めています。
国保税の滞納を理由に市が財産を差押えた件数は、2011年度4430件、2012年度4286件、2013年度4843件にも及んでいます。2011年度の大阪府下の全自治体の国保税の差押え件数4,503件とほぼ同じで、栃木県や長野県が4000件から5000件ですから前橋1市で県レベルの差押えをしています。本市は2012年度に国保税滞納世帯は6408世帯に対して4503件も差押えていますが、世帯数がほぼ同じ中核市の滋賀県大津市の場合は、差押えはわずか104件で前橋市の40分の1以下です。政令市の名古屋市や大阪市と前橋市は国保税の収納率は約85%で、ほぼ同じですが、前橋市の差押えの比率は名古屋市の約10倍、大阪市の100倍に及んでいます。
すでに本市は3年前から、市税と国保税の滞納による差し押さえが年間8000件を超えており、預金や給与などの債権の差押えが90%を超えています。
本来は、滞納整理の最後の手段である差押え処分の権利を、真っ先に行使しており、濫用していると言わざるを得ません。
このような中、「前橋の差押え件数は、異常に多い」と云う驚きの声が全国から上がっています。他県のある自治体職員は、「預貯金口座や年金や給与など現金債権を差押えると、換価手続きなしで配当できるので滞納繰越金は確実に減ることはわかるが、万が一、市民の生存権を侵害する事態となったら大変なので、前橋市のように早期差押え処分を安易には進められない」と話しています。
私たちも、資力があり担税力がありながら納めない、悪意の滞納者には厳しい態度で接することは当然だと考えますが、前橋市の税滞納者に対する対応は、市民の生活実態をほとんど無視し、およそ優しさやぬくもりとはかけ離れた徴収強化だけになっていると言わざるを得ません。
 収納課は「滞納額が累積しない早期差押えは市民のくらしを困窮させないので抗議も少なく市民のためになる」と私たちに平然と説明していますが、国税徴収法の立法趣旨を曲解しています。あくまでも、滞納者であろうと自主納付を基本とすべきです。市民を差押えで驚かせて、呼びつけるといやり方は間違っています。
さらに自営業者の場合は、市税だけではなく国税の滞納も発生します。国税当局の統計でも、新規滞納発生に占める消費税滞納の発生割合は50%前後という高さです。零細になればなるほど消費税を価格に転嫁できず納税資金が捻出できないなど、中小業者は国税の負担増にも苦しんでいます。融資を受け金融機関に返済を行っている業者も多く、市当局が安易に不動産の差押えや売掛金を差押えたら、新たな融資の道を絶たれ、借入金の一括返済を迫られ、廃業の危機を招きかねません。
 
市税の滞納だけが問題で、市民の暮らし全体を見ようとしない収納行政は、市民を追い詰めるだけです。党市議団は、この間ほぼ毎回の議会で本市の収納行政の問題点を質問し、滞納者の暮らしや営業の実態を十分把握しないまま、本来なら最終手段である差押えを濫用する前橋市の滞納整理を改めるべきと繰り返し求めています。

3、具体例~市の違法・脱法的な差押えで脅かされる市民生活

私たち党市議団には、給料や年金などが預金口座に振り込まれた直後に差し押さえられ、「生活ができない」「暮らしていけない」と市民からたびたび相談を受けています。

e0260114_20381999.jpg 最近も2014年12月19日に市は、国保税などを27万5,600円(延滞金3万3600円)滞納している一人暮らしの69歳の女性の預金口座を差し押さえました。預金口座には3,305円の残額があり、有料老人ホームでヘルパーとして働いた給料が19日に15万4千円振り込まれましたが、市は振り込み日を狙い撃ちにして15万7千円を差押えたのです。305円で1カ月どのように暮らせというのでしょうか。これまでに収納課は、預金口座の差押えは法的には全額差押えが可能であるが、財産調査をして担税力を十分把握したうえで預金等の差押えを行っており、差押え禁止財産は差押えない、給与の振込と分かれば全額の差押えはしない。差押え禁止の10万円+源泉徴収分を差し引いた残金の80%を差押えると表明していましたが、今回の例はこうした説明にも反する、行き過ぎた差押えです。その女性からの党市議団への相談を受けて、私が収納課に同行して、「いかなる滞納があっても、憲法25条で保障すべき最低限の生存権を奪うような違法な差押えはやめるべき。無年金者でもあり、少なくとも禁止財産部分の即時差押えを解除して現金で還付すべき」と抗議しましたが、即時解除を表明しませんでした。(写真は女性が差し押さえられた通帳のコピー)

また、奥さんの数万円のパート収入と二人合わせて9万円の年金で生活保護水準以下の最低限の生活の零細な元水道設備業者の方の例です。経営に苦しみ、原材料の仕入れと従業員の給料を払うのが精いっぱいで、市税や国保税の滞納がありました。持病も悪化したので2013年末で廃業を決意しましたが、収納課の厳しい督促を受けて、精神的にも追い込まれ、結局、離れて暮らしている金銭的にも余裕がない子どもさんに無理に頼んで、滞納している本税約70万円を2014年の春、全額一括納付し、その後は、現年分は一度も滞納せず納期内納入を守ってきました。
ところが、収納課は、その方の精いっぱいの努力も認めず、延滞金の執行停止どころか、年金が振り込まれた当日の2014年10月15日に突然、残金がほぼゼロの預貯金口座に振り込まれた月5万5千円の年金から3万円を差押えたのです。
本人が「医療費も払えない、生活ができない」と収納課に差押えの解除を求めましたが、応対した担当者は、「13万円残っている延滞金が納入されないので差し押さえた」と答え解除を拒否しました。

e0260114_20393442.jpg2014年12月24日に相談を受けた市内の61歳で早期に年金受給をしている男性への預金口座の差押えもひどい違法差押えでした。その方は、10年前にうつ病で入院し会社を退職、奥さんとも離婚し、7年前に同居していた父親も死亡して、10年間ひとり暮らしをしていました。その後も糖尿病の持病が悪化していますが国保税の滞納を理由に正規保険証を取り上げられて、窓口で残額負担を求められる資格証明書が発行されているために、最近は医者にかかっていません。時折、低血糖のために意識を失うことがあると言っています。1年前から厚生年金(2カ月で16万円)を繰り上げ受給し、姉妹の支援を受けて細々と自宅で暮らしていました。市税と国保税が延滞金も含めて97万円滞納していると前橋市から督促を受けていました。市の収納課は、2014年12月15日の年金支給日に本人が15,000円引き下ろした残額148,850円を差押えて残額をゼロにしたのです。私が、本人から詳しく話を聞いたところ、市に無所得の申告を10年間行っていないことが分かったので、国保年金課窓口に申告したところ、7割軽減世帯だということが判明し、国保税の本税だけでも189,600万円の減額が行われました。時効によって5年間の減額にとどまりましたが、収納課は無収入の申告をすれば滞納金額そのものも大幅に引き下げられることが分かりながら、その事実も知らせていませんでした。
このような状況の下で2か月分の生活の唯一の糧である年金を全額差押えてたことは、2重に悪意に満ちた脱法・違法な滞納整理です。しかも本人及び同席した姉妹の即時解除・還付請求にも、市収納課は応えない異常な態度を示しました。私はこのような中で相談者の暮らしを応援するためには、生活保護申請が必要と判断し、当日申請を行い社会福祉課に生活保護申請を受理させました。しかし保護の開始決定までの間、全く無一文の生活を強いられたのです。一方で税金の滞納処分で生活を脅かす前橋市が、生活保護で扶助せざるを得ないというという矛盾した行政となっているのです。(写真は、差押えられた相談者の金融機関の口座です。)

いま、差押え禁止債権を狙い撃ちする滞納処分が問題となり、滞納者へのむごい仕打ちはやめよという声が全国各地で上がっています。
とくに、預金口座の差押えについては、2013年11月27日の広島高裁では、「預金口座に振り込まれたものであっても、児童手当のような差押え禁止財産が原資となっている場合は、差押え禁止の趣旨に反し違法である」という画期的な判決が出ました。
ところが、前橋市はこの判決後も「預金口座に入れば一般財産」という立場をとり続け、児童手当だけが入金し、出金は学校給食費と就学旅行費の積み立てだけという税滞納者の預金口座の7万8971円の残額を2014年8月4日に全額差押えました。児童手当以外に口座への入金がない状況を知り得る状態にありながら差押えを断行したのは、児童手当の差押えを禁止する法律からの裁量権の逸脱であり、差押え禁止財産を狙い撃ちにした違法な差押えです。  
本人の抗議を受けて、市は、差押えを解除し全額を返金しましたが、真摯な反省の態度は示しません。

また、市が税金滞納を理由に差押えていた自宅兼工場を公売し換価し配当したために、事業の継続ができなくなって廃業し生活保護世帯となった零細業者がいます。公売しなければ、同居していた子どもに経済的支援を受けながら、細々でも事業の継続ができたのです。執行停止して事業の継続と生活を支援していくのと、全財産を取り上げて滞納税に充てて、生活保護で扶助するのとどちらが行政上からみても合理性があるのか明らかではないでしょうか。
さらに、市は病気で生活保護を受給している稼働年齢を過ぎた高齢者に、生保受給前の滞納税の分納を求め、実際に扶助費から6000円の分割納付をさせました。今も返還しておりません。執行停止すべき生活保護受給者に督促状を出して納入を促すことは直ちに改めるべきです。

4、強権的な取り立てではなく、市民の暮らしに寄り添い自主納付できる親身な徴収行政に転換を!

納税相談に市役所の収納課に訪れたり、電話で納税相談をした市民から、「市の税金の取り立てが厳し過ぎる、高圧的な態度や言動は市民に奉仕する公務員とは思えない」「市職員のあまりの暴言で心臓がドキドキした。倒れそうになった」という怒りの声は後を絶ちません。
そもそも、市税や国保税の滞納がふえているのは、長引く不況や消費税の8%増税、医療や介護などの負担増で市民生活や中小業者の経営が厳しくなっていることが背景です。たとえ納税義務を認識していても、毎日の暮らしに追われ、事業の継続に必死になって、支払いが困難になっている市民が増えているのです。そんな時に、税金を支払うという市民の立場は重視せず、滞納した税金を取り立てる立場からしか物事を考えようとせず、生活の状況を無視して違法・脱法ともいえる問答無用の取り立てを行えば、市民の生活も中小業者の経営も成り立たなくなります。なぜ滞納する状態に至ったのか、1人1人の状態を把握して,どうすれば滞納を解消できるかということを一緒に考える対応が必要だと思います。

すべての税金の徴収は、納税者の「事業の継続又は生活の維持」ができることが前提で組み立てられています。これは憲法25条・生存権の保障の当然の要請なのです。滞納処分によって、すべてのもの奪ってしまえば、後は生活保護に頼らざるをえなくなります。
「滞納イコール悪質」という認識や滞納した税金をとることだけを最優先し、機械的・強権的な滞納整理に職員を駆り立てる収納行政は絶対に改めさせなければなりません。
朝日新聞が2014年10月に前橋市の差押えの実態を特集した記事は、参議院の厚生労働委員会でも差押え件数の多さに驚きの声が上がり、日本共産党の小池晃議員の質問に対して、厚生労働保険局長も「『個々の滞納者の実情を把握したうえで対応する、生活を窮迫させる恐れがある場合は処分を停止する』という今年1月の総務省事務連絡を、全国担当者会議などで周知徹底する」と約束しています。
塩崎元厚生労働大臣も、「あえて杓子定規なことをやらず、温情を持って臨まなければいけないし、配慮をしなければならない、ぬくもりを持った行政をやるべき」と答えています。

本市の税の取り立て強化の背景には、地方交付税の削減や不況による税収減がありますが、『税の公平性』を口実に、日々の暮らしに困っている市民に執拗(しつよう)なまでに支払いを迫るやり方はまさに異常です。真の「公平性」というのなら、国税徴収法や地方税法の本来の趣旨をきちんと納税者に周知し、生活困窮などの一定の事由が生じた場合には、納税の猶予をして延滞金を減免し分納を認めたり、換価の猶予や滞納処分の執行停止をする「納税の緩和措置」制度を運用して納税者を保護し、強権的な徴収をやめるべきです。
 
また、市当局は市民が納税相談を行う際に、弁護士・税理士・公認会計士の税務代行者以外の第3者立ち合いを拒否しています。党市議団が市民から相談を受けて、立ち合いを本人が同意していても、守秘義務を理由に市議会議員の同席を認めないことは納得できません。このことも本市の強権的な徴税行政の姿勢を表しています。

5、市税を考える市民の会が粘り強く運動

 
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2009年の12月、このようなあまりにもひどい前橋市の税収納行政を市民の共同の運動で改善させようと日本共産党・民商・新婦人・医療生協・弁護士・税理士・司法書士や多くの個人などが参加して「市税を考える市民の会」が結成されました。
 これまでに、シンポジュウムや学習会、税金110番、さらに年金支給日などに市役所前での宣伝活動を続け(右の写真)、市長への改善要求署名運動、収納課交渉などを粘り強く続けてきました。また、国保税の引き下げや実績がない国保の窓口の一部負担金の減免や申請減免制度の拡充も強く求めてきました。
2014年11月23日には、大阪社会保障推進協議会の寺内順子事務局や2013年3月の鳥取県の児童手当の差押えを違法とした広島高裁判決を引き出した弁護団の楠晋一弁護士や大阪地域で違法な差押え問題などの市民活動を支援している勝俣彰仁弁護士を講師に迎えて『その差押え、違法です!』をテーマに学習会を開催しました。
 今後も、市議会での論戦とともに市民運動との共同を強めて、行き過ぎた収納行政の改善を市に求めて行きたいと思います。

6、むすび

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前橋市は今、初代群馬県令・楫取素彦を描くNHK大河ドラマ「花燃ゆ」で観光客誘致に力を入れて、「おもてなし前橋」を強調しています。訪れる観光客だけへの態度ではなく、生活に困窮し納税が遅れた市民に対しても、強権的な取り立てで市民を追い詰め、行政に対する信頼を失わないようにすべきです。行財政改革の推進で、政府が地方交付税や補助金の削減を強めているために自治体が財政難を招いていますが、そのしわ寄せを住民へ転嫁し、徴税攻勢を強めることは許せません。党市議団はこれからも、分納などの努力を続けて税金を支払う意思がある納税者への滞納処分を行わないことや納税者本人の納付意思確認や家族を含めた生活の実情把握なしに差押えをしないことを強く求めていきます。
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by hasegawakaoru | 2014-12-26 20:51 | 市議会活動報告