前橋版CCRC(Continuing Care Retirement Commu-nity)構想?
2016年 02月 10日
現職市長はまもなく移転する日赤病院跡地を拠点に、「前橋版CCRC(Continuing Care Retirement Community)構想を推進する」と言っています。
これは国民皆保険制度がないアメリカで富裕層が始めた街づくりの真似をして、安倍政府が、人口減対策として自治体に呼びかけた「地方創生事業」のひとつです。東京などの高齢者を元気なうちに地方に移住させ、将来的には介護や医療も受けられるようにするという街づくり事業です。現市長は「高齢者だけではなく子育て世代も対象にする」と言っていますが、詳細は分かりません。
しかし、東京などの高齢者に「前橋市を終の住みかにして下さい」と移住を呼びかけても、元気なうちならともかく、要介護状態になり、特養老人ホームの入所が必要になった時にどうするのかという問題や、介護保険や国保・後期高齢者医療保険などの財政負担が前橋市に重くのしかかる心配もあります。市内には特養ホームの入所待機者が現在1,200人、独居高齢者も増え続けています。前橋市の高齢化は今後いっそう進み、医療や介護の財政支出は増えて行きます。東京などから移住を促進して人口を増やそうとすることは問題です。
人口減少・少子高齢化対策は、雇用の安定と子育て支援策の充実で!

ひぐち和彦弁護士は「少子・高齢化を引き起こした要因は、政府が非正規雇用を増やし、若年層が安心して結婚し子どもを生み育てられなくしたことです。政府が政策転換せずに『地方創生』の名で自治体に押し付ける人口増対策・日本版CCRC構想を前橋市が安易に受け入れることは問題です」と述べています。