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日本共産党前橋市議会議員 長谷川薫  【年齢 70歳】 現在・6期・携帯・090-1534-5061・自宅~前橋市南橘町15-5・お困りごとや行政への要望などありましたら、お気軽にご連絡下さい。


by hasegawakaoru

目標もあいまいな前橋市総合計画を他会派が賛成し可決

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少子化の原因も明らかにせず市民に自助努力を強調し、民間営利企業に公務を開放する計画でよいのか!   

 第4回定例市議会が21日に終わりました。最も大事な議題は来年度から10年間の前橋市の『総合計画』でした。共産党市議団は、市民の暮らしを守る立場が貫かれず、国の悪政に追随する計画の問題点を指摘し反対しましたが、他の全会派が賛成したために、総合計画は原案通り可決成立しました。

前橋市政の目標や方向性を示さない無責任な計画!

 自治体の最大の責務は「住民福祉の向上」です。だれもが希望を持って安心して暮らせる町づくりが目標とならなければなりません。ところが、総合計画では、めざすまちづくりの基本理念・ビジョンを「めぶく」とし、将来都市像を「新しい価値の創造都市・前橋」と位置付けています。市長は、「前橋市は誇るべき特徴がないのでゼロからの出発が必要」という民間人の意見に同調し、「市民一人ひとりが個性と能力を生かし新しい前橋らしさを創造することが必要」などと言っていますが、あまりにも抽象的で前橋市がめざす目標が何なのか全くわかりません。

まぜ、いま市民に自助・共助の強調か!    
 
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 計画全体に貫かれているのは、少子高齢化が進み財政も苦しくなるので、なんでも行政に頼らず、出来ることは自分で行い、隣近所で助け合い、どうしてもできないことだけ行政が支援するという立場です。しかし、すでに市民は消費税増税や社会保障制度の連続的な改悪、さらには労働法制の規制緩和で、子育て世代も高齢者も様々な不安を抱えて必死で暮らしています。自助努力ではなく、国の悪政の荒波から市民の暮らしを守る防波堤の役割を果たすという立場を鮮明にすべきです。

行政の民間化をこれ以上促進してよいのか!   

 これまでにも行財政改革の推進と言いながら、堰職員を削減して、市の職員の3人にⅠ人が非正規職員となっています。その上、安全性が求められる水道事業や学校給食を民間営利企業に委託し、温泉施設や道の駅、児童遊園地、駐車場など施設に指定管理者制度を導入し営利企業に維持管理を委ねています。また、小中学校や幼稚園の統廃合を進め、市立保育所の民営化も進めています。 「民で出来ることは民に任せる」ことを最優先すれば、官製ワーキングプアーを増やし、公共施設を利潤追求の場に提供すれば、市民サービスの質が低下するとともに、現場を把握しない行政運営はいっそう市民ニーズにこたえられなくなります。

民間資金活用の大型公共事業の促進やめよ!  

目標もあいまいな前橋市総合計画を他会派が賛成し可決_e0260114_1903576.jpg さらに、市が行う一定規模以上の公共事業は、民間資金の活用であるPFIやPPP手法を導入することを強調しています。すでに、日赤跡地の利活用・CCRC構想も上武道路沿線田口町の市内4カ所目の道の駅、26階の複合ビルを建設するJR前橋駅北口再開発事業も民間営利企業に事業計画を丸投げし、市も多額の財政投入を進めようとしています。資金力のある開発事業者が初期投資を行うことで、市の財政負担が少なくなると当局は説明していますが、公共施設には必ず企業がその後の運営によって利益を上げて、初期投資の回収が行われます。公共施設が、営利企業の儲けの場とされて、公共の福祉を最優先すべき施設の運営目的がゆがめられます。民間の知恵を借りることと、営利企業の公共の場を提供することは、はっきり区別すべきです。

総合計画に市民要望に応える各分野の目標を明確にすべき!  

 いま、各分野の市民要望が山積していますが、計画にほとんど明記されていません。千人もの待機者解消をめざす特養老人ホームの増設計画、いじめや不登校や教員の多忙をなくし全ての子どもたちの行き届いた教育実現のための小中全学年の30人学級化、保育料や学校給食費の無料化、地域経済活性化策の住宅や商店リフォーム助成、車優先から自転車や歩行者優先の道路整備への転換、市営住宅の2割・1千戸の空き部屋解消、田口町の水道水源汚染の解消対策、高すぎる国保税の引き下げ、生存権を脅かす行き過ぎた税滞納整理の改善、平和資料館の開設など平和行政の充実策などを明確に総合計画に明記すべきです。

なぜ、人口減少や少子高齢化の原因も示さないのか!  

 計画は、今後人口が減少し高齢化が急速に進むと述べていますが、その原因を明らかにしません。いま、若者の2人に1人は非正規雇用で低賃金の不安定雇用です。正社員も異常な長時間労働を強いられ、労働者を使い捨てる「ブラック企業」も若者たちの未来と希望を奪っています。安定した雇用がなければ、安心して結婚し子どもを産み育てることもできません。政府の労働法制の規制緩和に反対し、非正規雇用の正社員化の支援やブラック企業の根絶策など市独自の方針を明確にすべきです。

 
by hasegawakaoru | 2017-12-21 19:03 | 市議会活動報告