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日本共産党前橋市議会議員 長谷川薫  【年齢 70歳】 現在・6期・携帯・090-1534-5061・自宅~前橋市南橘町15-5・お困りごとや行政への要望などありましたら、お気軽にご連絡下さい。


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なぜ交通弱者支援のマイタクにマイナンバーカードの導入か

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マイタク制度」の改善充実策こそ急ぐべき 
 タクシー運賃助成制度・マイタクが昨年の1月末にスタートして1年が経ちました。
65歳以上で運転免許証を持っていない方や75歳以上の方、身障者や免許証自主返納者など約2万2千人が登録し、通院や買い物にマイタクを利用しています。
 登録者が一人で乗車した場合は、運賃の半額(上限1千円)が助成され、複数で乗り合わせて乗車した場合は一人あたり最大5百円の支援を受けられます。
現状では、利用者の多くが相乗りではなく一人乗車ですが、例えば片道運賃2千円の場合は、半額の千円の支援を受けられることもあり、近距離を利用する市民はマイタクを日常的に利用しています。年間利用は120回まで。
 ところが、富士見町のように旧勢多郡などから市の中心部の病院などに通院するための利用は広がっていません。理由は支援額の上限が千円であるために、例えば片道運賃が3~4千円でも上限の千円までしか支援を受けられないため、利用がほとんど進んでいません。長距離のタクシー利用を敬遠し、多くの高齢者が家族や知人の自家用車の送迎に頼っています。
共産党市議団は、「市内の交通弱者が等しく支援を受けられるようにマイタク制度を改善すべき」「低額の(段階的/距離別)固定料金にして距離の長短に係わらず交通弱者が安心して利用できるように改善すべき」と繰り返し市長に求めてきました。ところが市当局(交通政策課は、「市の財政負担が年間2億円に達しているので支援額の増額は難しい」と述べて市民の願いに背を向け、経費減が主たる目的の「マイナンバーカード」のマイタクへの活用を進めようとしているのです。

市は「利便性や事務効率の向上のため」と説明するが

 現在マイタクを高齢者が利用する場合、タクシー運転手に緑色の紙でできた利用登録証と利用券を提示して、降りるときに1枚の利用券と支援額を差し引いた運賃を運転手に支払っています。
市当局は、「マイタク利用者から乗車するときに登録証と利用券の2種類を持参するのは面倒」という意見が寄せられているか、「タクシー事業者と前橋市で補助金の清算をする事務作業に経費と時間がかかる」などを理由に、「マイナンバーカードでマイタクを利用できるようにして利用者の利便性を高め、マイタク運転手の運賃計算の負担を軽減し、事務経費を減らしたい」と説明しています。
しかし、国民の間で賛否が分かれているマイナンバーカードを前橋市があえてマイタクの乗車のために使う必要はありません。
 そもそも国がすべての国民に個人番号を付けたのは、納税の確保と社会保障給付の抑制が主な目的です。現在は、マイナンバーカードに記録されている個人情報は氏名や住所、性別、生年月日等の記録だけですが、すでに市は国の指示通り納税書類や介護保険や生活保護などの窓口での申請文書にはマイナンバーの記入を一律的に市民に求めています。国は、将来的には、カードのICチップに病歴や学歴・あらゆる金融機関の預金口座の出入金額なども記録し、個人情報をカード1枚で丸ごと管理できるようにしようとしています。情報漏えいの危険も避けられません。
 こうした背景の下で、全国的にマイナンバーカードの発行が全国民の一割程度にとどまり、市内の75歳以上の高齢者も、12・5%しかマイナンバーカードを持っていません。どこでも計画通り発行が進んでいません。今回、総務省が発効促進の手段として全額補助金を出して、全国初のモデル事業として前橋市に公共交通の利用にマイナンバーカードを使う社会実験を実施することになったのです。
 すでに1月11日から3月末まで期間で、約300人の登録者にマイナンバーカードを使ってマイタクに乗車できる実証実験を開始しています。乗車したときに、タクシーに備え付けているカード読み取り機(国が全額助成)にマイナンバーカードをあてるだけで、運賃が自動的に表示され、市との補助金の清算事務もコンピューターで行えると利便性や効率性を強調しています。

老人会などが市長や議会に「マイナンバーカード導入反対」を陳情!

 天川大島町の老人クラブや年金者組合前橋支部などは、山本市長や前橋市議会に「高齢者がタクシーを利用するときに個人情報が記録されているマイナンバーカードを持ち歩かせることは、紛失による情報漏えいや犯罪に巻き込まれる等の大きな危険がある。導入の中止を」という連名の陳情書を提出しています。しかし、市当局は「今年1年間の併用期間を経て来年度(31年度)からマイナンバーカードに一本化したい」と言っています。共産党市議団は、「利便性の向上ならマイタク専用の市独自のICカードの作成をすべき」と強く求めています。 
by hasegawakaoru | 2018-02-07 16:51 | 市議会活動報告