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日本共産党前橋市議会議員 長谷川薫  【年齢 70歳】 現在・6期・携帯・090-1534-5061・自宅~前橋市南橘町15-5・お困りごとや行政への要望などありましたら、お気軽にご連絡下さい。


by hasegawakaoru

前橋地裁・給与が振り込まれた預金口座を全額差し押さえた前橋市は違法と判決

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市が差押えた約12万円の返還と慰謝料5万5千円の支払いを命ずる 

 共産党市議団は、前橋市が生活苦を理由に市税や国保税を滞納した市民に対して、十分な暮らしの実態を把握しないまま、給料や年金などを問答無用に差押え、生存権を脅かす過酷な税金徴収を続けていることを指摘し、その改善を一貫して求めてきました。 
 これに対し市は、「差押えは滞納者の生活状況を把握し、担税力があると判断して行っている。違法な滞納整理はしていない」とくりかえし主張してきました。
ところが、1月31日に前橋地方裁判所(塩田直也裁判長)は、「市が税金を滞納している市民の給与が振り込まれた郵便貯金口座を狙い撃ちにして差押えたことは、脱法的な差押え処分であり違法」「差押えた12万6226円と慰謝料5万5千円を支払え」と判決。前橋市の行き過ぎた収納行政を断罪しました。

市は限界を超えた無理な分納額を示して差押え

 この裁判は、2016年4月12日に、市内のA氏(59歳・一人暮らし・介護事業所勤務)が提訴したものです。
 A氏は生活苦のために、2008年頃から市・県民税と国保税を滞納し、毎月1万円の分納を誠実に続けていました。市の収納課が2015年の2月にA氏に「2万円に分納額を増やしてほしい」と求めました。介護関係の職場に勤めているA氏は「毎月の給与所得額が5~6万円であり2万円は無理。1万5千円が1か月の限度額なので5千円の増額での分納を認めてほしい」と要請しました。ところが市は、「検討に値しない」と突っぱねて、2万円の分納額に固執し、A氏の申し出に取り合いませんでした。そのうえ、市は3月から7月まで、給与が振り込まれる郵便貯金口座を狙い撃ちにして翌3月から7月まで差押え続けたのです。とくに7月の差押えは、郵便貯金に振り込まれた給与とわずかな預金残額合わせて7万6226円全額を差押えて全額をゼロにしたのです。
 このような中、A氏は「これでは生きて行けない」と弁護士に相談。2016年4月13日、前橋市(山本龍市長)を相手取って、6月と7月の差押え処分の取り消しと差押えた12万円6226円を支払うこと、慰謝料50万円と弁護士費用5万円を支払えと前橋地裁に提訴していました。

生活の糧を乱暴に奪う違法な差押え処分

 判決では、「市は郵便貯金が会社からの給与の振り込みと認識していた。実質的に給与自体を差押えることと知って差押さえている。給与であれば差押えできない金額(差押え禁止額=10万円+4万5千円×配偶者と家族の人数+給料から天引きされる税と社会保険料)であり、国税徴収法や地方税法に反する脱法的な差押えであり違法な差押え」と指摘。「生活の糧を奪われたことにより多大な精神的苦痛を被ったことは容易に認められる」と強調し、市の行き過ぎた違法な差押え処分を厳しく非難しています。
 党市議団は、「納税の義務を否定しているのではありません。前橋市は現在も年間7000件を超える差押え(2016年度)をしており、全国の自治体でトップの差押え件数です。憲法で保障する生存権を奪うような違法・脱法的な差押さえは絶対に許せません。市は生活実態を十分把握し、長期分納や執行停止による減額免除の対応が必要です。今回の前橋地裁の判決を市は真摯に受け止めて、行き過ぎた収納行政を改めるべきです」と強く訴えています。
by hasegawakaoru | 2018-02-07 17:14 | 市議会活動報告