市民課窓口の民間委託の中止を!
2018年 09月 15日
戸籍・住民票・印鑑証明など交付窓口の事務はすべて個人情報
9月12日の市議会本会議で、行政の効率化とコスト削減を理由に、12月から前橋市が行おうとしている市民課の証明書窓口業務の民間委託を中止を強く求めました。
市当局は、委託先は、すでに㈱富士ゼロックスシステムサービスに決めており、戸籍謄本、住民票、印鑑証明等の交付処理と手数料徴収、市民課の案内役のフロアマネジャーの業務を委託します。住民異動届や死亡・出生・婚姻届けなどの戸籍事務など市職員の判断が必要な事務や各支所・公民館の窓口事務は委託の対象としないと説明しています。
個人情報漏えいの危険を指摘しても、12月からの民間委託を撤回せず
「個人情報の漏えい、特定企業との癒着、偽装請負、官製ワーキングプアー」について質問
同議員は、委託によって引き起こされる問題点を以下のように質問し中止を求めました。
▼公務員には守秘義務が求められ、違反した場合には刑罰も課され情報漏えいを厳しく抑止しているが、委託業者に雇用される従業員には、法的な守秘義務はない。マイナンバーで、個人情報が集約されようとしている今、民間委託は情報漏えいのおそれが強まる。
▼企業は、人件費コストを抑えれば利潤を増やせる上に、初期投資がいらないので、全国的に行政窓口の激しい参入競争を展開している。受託事業者は自治体の判断で選択されるので特定企業との癒着が心配される。
▼㈱富士ゼッロクスに雇用された労働者に、市民課の正規職員が直接指揮命令をすると、委託契約は請負でも、実際は労働者派遣となり偽装請負となる。前橋市が労働者派遣法違反に問われ、1年以下の懲役又は百万円以下の罰金が科せられる。窓口で市民とのトラブルが発生し、委託業者が対応できない場合に正職員が関われば偽装請負が発生する。
▼今回の㈱富士ゼロックスとの契約期間3年。次の選定機会に漏れることも想定し、最初からパート、契約社員などと有期雇用契約を締結し、低賃金の不安定雇用労働者が業務の中心的担い手になる。安定し雇用をめざす責任がある市が、自らの職場で働く貧困層・官製ワーキングプアを作り出して良いのか。
市当局は、「全国的にも実績のある安定した事業者なので問題はない」と12月からの委託を進めると表明しました。
市民課は民間委託になじまない「市民の総合相談窓口」
市民課は、市民が最も頻繁に訪れる市役所の相談窓口です。福祉・教育・暮らし、街づくりなど、市民の抱える問題の総合相談窓口の機能も果たさなければなりません。民間に委託する案内職員・フロアーマネージャーも行政に精通した職員が担うべき部署です。
現在、正職員5人と嘱託職員6人の11人の直営業務を民間委託しても、削減できる人件費は年間わずか2百万円です。多くのリスクなどを考えると、効率化にもコスト削減にもならない外部委託です。直営を維持すべきと主張しているのは、議会では日本共産党市議団だけです。