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日本共産党前橋市議会議員 長谷川薫  【年齢 70歳】 現在・6期・携帯・090-1534-5061・自宅~前橋市南橘町15-5・お困りごとや行政への要望などありましたら、お気軽にご連絡下さい。


by hasegawakaoru

災害時の避難所がわかりにくい

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災害時の市民の確実な避難誘導体制の確立を


地球温暖化の影響もあり、集中豪雨による洪水被害が全国で頻繁に発生している。佐賀県などの洪水被害でも、住民は「これまで経験しない速さで水かさが増えて逃げることもできなかった」と話している。

前橋市も洪水ハザードマップを作成し、利根川や桃ノ木川などの河川が氾濫すれば、ひどいところでは4メートル近くの水没があると警告している。堤防のかさ上げなどをすべきだ。それにしても、線状降水帯による豪雨は台風のように事前に想定できないので、避難が必要となった場合に適時的確に行政が指示しなければならない。

前橋市では、洪水で浸水する危険性のある小中学校や公民館も指定避難所に指定されているので、洪水の時には開設しないと市は説明しているが、市民にはわかりにくい。きちんと市民が地震災害と風水害災害を区別して本当に安全に避難所にたどり着けるか心配だ。車も水没するような場合は避難所まで行けない。人命尊重の立場から、もっと分かりやすい避難体制を確立する必要がある。

9月議会で、以下の通り、防災行政を質問する。


  防災行政について

 はじめに、防災行政について質問します。頻発する地震、地球温暖化による異常気象がもたらす台風の大型化や線状降水帯の何度もの通過や停滞による集中豪雨、河川の氾濫・土砂崩れ・ライフラインの途絶など予想を超える自然災害が毎年のように全国各地では発生し、多くの人命が奪われ、道路や住宅など甚大な被害が出ています。昨年7月の西日本豪雨では200人もの死者が出ました。今回の台風15号による千葉県を中心にした災害も、大規模な停電によって電気・水道が長期に使えないというこれまでに経験したことのない大規模災害になりました。
 本市においても、河川堤防の決壊や氾濫や土砂災害などが予想される危険個所を日常的に掌握し、消防局は、気象警報発令時は迅速な警戒活動を強め、人命救助体制を速やかに整える必要があると思いますが、どのようになっているか答弁を求めます。

 豪雨によって利根川や赤城白川・荒砥川・桃ノ木川など市内の河川が増水して警戒水位を超え、堤防の決壊や溢水・氾濫が予想されたときに行う水防活動は、どのような判断と体制で実施するのでしょうか、昨年度は約60万円の決算額でしたが、市消防局は必要な資機材を十分備蓄しているのかどうか、お聞かせください。

 豪雨が予想される時に、農業用水を取水するための中・小河川の堰や農業用水路の水門を開けるなど的確な洪水防止策も重要と考えますが、消防局はどのような対応をしているのでしょうか。

【提案】国土交通省・県・本市農村整備課とも連携し、特に土砂が堆積する砂防ダムや堰などの管理、流木などが河川をせき止めて堤防などの決壊の原因となる水門などの日常的な管理や豪雨などで水位が上昇する際の措置を的確に行うよう連絡調整を図っていただきたいと思います。

 広範囲に及ぶ浸水災害が発生し、住宅や病院などが孤立し救援が求められた場合、どのような人的体制で人命救助活動を行うのでしょうか。(必要なボートや救命胴衣は常備しているのか。~省略)警察や災害出動した自衛隊との円滑な連携はどう進めるのか。お聞かせください。

 次に避難についてです。今年の3月に、国が避難勧告と避難指示の2段階を5段階に変えました。5段階のうち、警戒レベル3は高齢者などの避難、レベル4は全員避難などと具体化し、分かりやすくしたと説明されていますが、今年の7月の記録的な集中豪雨時に、鹿児島市が52万市民全員を対象にしたレベル4の全員避難指示を出した際に、かなり大きな混乱が起きたそうです。本市も6月22日に赤城山麓に降った198ミリの豪雨時に、午前220分に土砂災害発生の危険地域にレベル4の避難勧告を発令しました。気象庁は記録的な大雨が予想されるときは、早めの避難や身を守る行動を呼びかけていますが、本市は、これまで、どのような判断でレベルを選択して発令をしているのでしょうか。市民の理解をどのように進めるのでしょうか。答弁を。

【提言】地震の予知は難しいともいますが、台風や豪雨災害については、最近は、気象庁の天気予報や線状降雨帯の予報もかなり正確になっています。豪雨が強まり、河川の氾濫や浸水が始まる前に、避難情報を低いいレベルから発令し、市民が余裕をもって避難の準備ができるよう、また、避難の最中に命が脅かされる危険な事態に遭遇しないよう、適時的確な避難発令をするよう強く求めておきます。

 災害の危険から命を守るために緊急的に避難する76か所の避難所が指定されていますが、たとえば、洪水などの時には浸水想定地区内にある避難所は開設しないと決めています。しかし、たとえば、18千世帯の南橘地区の指定避難所は桃川小学校と鎌倉中学校の2か所だけです。避難者が殺到して避難所の体育館の収容限度を超えて受け入れが困難となったり、なじみの南橘公民館や地震の時だけ避難所になる荒牧小学校や南橘中学校などに避難するなどの混乱が心配されます。日常的な避難所の周知や緊急時の市民への広報はどうするのでしょうか。答弁を。

【提言】ハザードマップで3~5㍍の浸水を想定している北代田町や龍蔵寺町の方で、とくに赤城白川沿いに暮らす方や南橘町の方に、「市から避難勧告や指示が出されたときにどこに避難するか分かりますか」と質問してみましたが、「わからない」と答える方がほとんどでした。中には、避難所とならない「細井小学校や南橘公民館に避難する」と答えた方もおられました。多くの方が、はっきり考えていないのが実情ではないでしょうか。地元自治会と連携して、具体的な避難発令時の避難場所を周知すべきです。

 初動における正確で迅速な情報収集と情報伝達・避難誘導は、市民の命を守るためにも大変重要です。現在、防災無線、防災ラジオ、緊急通報メール、ツイッターなどで広報していますが、決して十分ではありません。
避難所や避難経路の案内、車か徒歩かなどの避難手段、避難開始時間など、災害発生予想地域に即した的確な避難行動を促すためには、市や自治会の広報車の活用や、消防団などによる具体的な広報活動も必要だと思いますが、どのような体制で行うのでしょうか。

【提言】今回の千葉県のように停電時には、防災無線も長期時間の使用は不可能になります。正確な情報を市民に提供するため、市の公用車を使っての広報も必要になることも予想されます。広報資器材の備蓄も行っていただきたいと思います。

 避難行動要支援者登録・約1300人の確実な避難誘導は、とりわけ配慮が必要です。自治会など地域任せではなく行政が責任をもって確実に支援することが必要だと思いますが、どのような計画になっているでしょうか。

 昨年度の災害に備えた食料や資材の備蓄のための決算額は約1307万円でした。災害に備える避難所の生活環境の整備は重要課題です。全国的に、体育館での雑魚寝、おにぎりやパンなど貧しい食事の繰り返しなどが問題になっています。感染症の拡大や不衛生なトイレなど劣悪な環境で体調を壊したり、高齢者が災害関連死に至るなどの問題を解決しなければなりません。いま国際的なスフィア基準や国のガイドラインに基づいて、簡易ベッドやプライバシーの確保・冷暖房機器の整備・洗濯機やテレビ、清潔に使える十分な仮設トイレの確保など避難所生活を改善することが必要だと思いますが、どのような整備計画になっているでしょうか。

 避難所での温かい食事を提供するための炊き出し、避難所生活者への入浴・シャワーなどの提供・支援は検討されているでしょうか。

 食料や水など備蓄物資の状況についてです。災害時には、交通が途絶し、企業との災害支援協定は円滑に進すまないと思います。210142月の1メートル近くの前橋市の大雪の時も、交通が途絶して食料もガソリン灯油も供給がストップしました。応援協定による確保ができなくなることも想定した、食料・水・生活必需品の備蓄が必要です。本市の備蓄目標と備蓄の現状についてお聞かせください。全国的にはすぐに飲める乳幼児用液体ミルクなどの備蓄も進んでいます。本市も備蓄すべきと思います。備蓄品のローリングストックは確実に実施されているのでしょうか。答弁を。

【提言】避難所生活のストレスで子どもや高齢者など災害弱者が体調を壊し、最悪の場合は死に至る災害関連死が大きな問題になっています。本市でも、全国の避難所開設のこれまでの教訓を生かして、できる限り避難所の快適な生活を提供するための準備が必要です。段ボールを使った間仕切りやベッドの確保、清潔なトイレ、そして温かい食事の提供などが必要です。体育館が避難所の中心ですので、教育委員会とも連携して、ぜひ、充実した避難所の整備を進めるよう要望します。

 停電が長期化する時に、病院や高齢者施設への発電機の設置などの支援が必要となると思いますが、検討されているでしょうか。

 医療や介護が必要となった避難所や自宅避難者を福祉避難所や医療機関に移送が必要となった時に、市はどのような支援をするのでしょうか。

 避難所の運営は、避難者任せにせず、各避難所に市職員を配置して、市の責任で運営すべきだと考えますが、現状の防災計画で明確になっているでしょうか。

 熊本地震の際は、受援体制の混乱が大きな問題になりました。被災者への支援物資の受け入れや他の自治体や日赤、民間の各種ボランティアなどの受援体制の整備も、被災者支援を効果的に進めるうえで重要だと思います。

本市の計画をお聞かせください。

 この質問項目の最後に、被災者支援体制は、ひとりひとりの被災者にそった医療や保健の支援・住宅の復旧や確保、営業再開の支援などワンストップ的な総合的な対応が求められます。官民連携の支援体制の構築も求められると思いますが、現状の計画について答弁を求めます。

【まとめ】

詳細にわたって質問しましたが、本市の災害発生時の避難所への誘導支援策が大変弱いと思います。現状では、災害発生時、緊急時に市民の間に混乱が起きると思います。避難所の整備もまだまだ不十分だと思います。
本市でも、1947
年・昭和22年9月のカスリーン台風で、利根川や市内の河川の多数が氾濫し県内だけでも死者592人の大被害が出ました。前橋市では、幸いにその後大きな災害の発生はありませんが、地球温暖化による異常気象が以前にも増して強まっているだけに、決して楽観し、油断することはできません。

国も地方自治体も、防災行政を推進するにあたって、一人一人が自ら取り組む「自助」、地域や身近にいる人同士が助け合って取り組む「共助」、国や自治体などが取り組む「公助」が重要だと強調しています。
 しかし、「自助」や「共助」をことさら強調するのではなく、何よりも重要なことは「公助」だと思います。猛威を振るう自然災害の発生時には、個人の力は限界があります。

正確な情報伝達手段の整備や確実な避難誘導体制の確立がは自治体の最低限の責務です。国や自治体が十分な予算を確保して、河川堤防の整備や電気や水道などライフラインの確保さらには水・食料などの備蓄や避難所の整備を進めなければなりません。
 今起きている台風15号による停電や断水も、
電線地中化や老朽化した電柱などの更新が進められていれば、かなり防ぐことができたはずです。

今回の台風15号もそうですが、自然災害は、時として、想像を超える力で襲ってきます。日頃から十分な防災対策で、被害を少なくしなければなりません。

今後、ほぼ確実に首都直下地震や南海トラフ大地震の発生が懸念されております。必ず襲来する台風も最近は大型化しています。本市も、全庁的に災害に強いまちづくりをめざして、各インフラの強度の見直しや、河川の堤防の改修など減災対策の一層の充実強化を求めておきます。



by hasegawakaoru | 2019-09-19 14:24 | 市議会活動報告