第2回定例市議会に「オリンピックの中止を求める意見書」を提出
2021年 06月 08日

感染抑止を優先すべきと国民の8割が延期・中止を要求
新型コロナウイルス感染症は、インドなどにおける爆発的感染拡大など、世界的にも厳しい状況が続いています。日本も感染者は約76万3千人、死亡者は1万3千人を超えており、一刻も早く収束させることが求められています。
東京オリンピックとパラリンピックの主たる開催地である東京都においても、緊急事態宣言が出され、感染力の強い変異株が拡大するなど、予断を許さない状況が続いています。
いま、我が国が総力をあげて取り組むべきは、PCR検査等の充実による感染拡大の防止策の徹底と医療崩壊の回避、安全迅速なワクチン接種の早期完了、生活困窮者や経営不振に苦しむ事業者等への救済措置の徹底です。
政府は、いま進めているワクチン接種によって社会的免疫が作られ、安全なオリンピック開催は可能と説明していますが、大幅に遅れている現在の日本の接種率では、感染拡大を早期に抑えることは困難です。
このような中での開催は、国民をコロナ感染の危険にさらすとともに、平和の祭典、多様な文化の交流といったオリンピックの目的を世界に発信することはできません。国民の約8割が、オリンピックの開催を強く心配し、延期や中止を求めているのは当然です。
医療従事者や消防職員などのほか子ども達まで大量動員
それにもかかわらず政府は、コロナ感染患者の治療のために懸命な努力が続けられている医療機関に医師や看護師の動員を求め、さらには数多くの救急車の確保や消防職員などの大量動員を進めている。また、東京都内の幼稚園から高校まで子ども約90万人を競技の観戦に動員する計画も明らかになっています。
このまま開催されれば、海外からもスポーツ選手や大会関係者など約10万人を超える外国人が入国することとなり、国民への感染リスクが高まることは避けられない。コロナ感染の拡大抑止、人命尊重、国民生活尊重の観点からも、オリンピック開催は明らかに許容限度を大きく逸脱しています。中止を決断すべきです。
オリンピックの競技者も、不安を深めて推移を見守っているが・・・・・
いま、当事者である多くのアスリートも、コロナ感染症の収束による安心安全な開催を期待する一方、このまま開催されてよいのかどうか疑問を感じながら、複雑な思いで推移を見守っています。
前橋市は、一昨年の秋から、南スーダンの陸上選手団5人の事前合宿を受け入れており、オリンピックでの活躍を期待しておられる市民の皆さんも多いと思います。しかし、ワクチンを頼りに開催を強行し、大量の医療従事者をオリンピックに振り向けることは大きな問題です。政府および東京都は直ちに、オリンピックとパラリンピックの開催中止を判断すべきです。